2014年10月9日木曜日

エルヴィス・アロハ・フロム・ハワイ



エルヴィス・アロハ・フロム・ハワイ
ELVIS ALOHA FROM HAWAII VIA SATELLITE

全世界36ヶ国にリアルタイムで
癌基金のチャリティ・コンサートを放送。
前人未踏「15億人が同時に観た」という事実。

『世界初。衛星中継はエルヴィスから始まった』



エルヴィス・アロハ・フロム・ハワイ

73年1月14日、午後12時30分にスタートさせたステージ。深夜になったのは世界の時計を見た上でのスタートで丁度日本では日曜日のゴールデンアワーになった。

エルヴィスプレスリーが民間人として初めて宇宙中継を使って全世界36ヶ国にリアルタイムで見せた渾身のステージは、さすがのエルヴィスをもってしても緊張は隠せず、完成度は高いと言えないが、特別なオーラに満ちていた。

<ELVIS ON STAGE>の中にトム・ジョーンズからの電報をエルヴィスが読み上げる場面が挿入されている。

当時日本でもトム・ジョーンズのショーが毎週テレビ放映されていて、そのワイルドなパフォーマンスはバンド全盛の時代に<想い出のグリーングラス><最後の恋>などをヒットさせ、ひとり気を吐いていたように記憶する。

<ELVIS ON STAGE>を最初に観た時、すごい衝撃を受けたことは当然だが、ある違和感も感じた。「エルヴィスがトム・ジョーンズになってしまった?」という思いだ。違和感はひとときで、まぎれもなくエルヴィスだけの空間がそこにあることを思い知らされた。


最後にOKサインを送ってくれた時には、やたら嬉しかった。

それにしても「エルヴィスがトム・ジョーンズになってしまった?」という思いは私だけだっただろうか?68年のテレビスペシャルは明らかに50年代のエルヴィスだった。そのアクションがまったく変わってしまっていたのだ。


1973年1月14日午前0時30分、公的なものは別として、世界初の衛星中継が全世界が向けて行われた。ホノルルにいるエルヴィスがテレビ画面に現れたを観て「存在感がすごい!」と感じた。頭がそれでいっぱいになった。

ビートルズも観た、トムジョーンズも観た同じテレビ画面で観るエルヴィスは『比類なき存在感のすごさ』だった。とにかく大きく感じた。異様なまでの存在感だった。

ひとりの人間があれほど大きく感じたことは後にも先にもない。いま「カリスマ」という言葉が氾濫しているが、正真正銘の「カリスマ」とはこのことだろう。

トムジョーンズの身のこなしに似ているのことへのわだかまりが、完全に消え去っていた。比較したことが間違いだっだ。ホントに凄かった。


このパフォーマンスは決してそのキャリアの中ではベストなものではない。それでも凄かった。
私は「そして今は」を「フィーバー」を歌うエルヴィスには違和感がある。


それでもこのハワイのビデオで「そして今は」を観てると知らない間に、目頭が熱くなるし、「フィーバー」を歌う姿に誠実さを感じて知らない間に和んでしまっている。

エルヴィスとひとくちに言っても、いろんなエルヴィスがあって、人それぞれに楽しみ方も違う。どれがいいも悪いもない。

いま日本ではエルヴィスを登場させたラーメンのCMが放送されている。アメリカではそっくりさんが多くのCMに出てきてTHANKYU VERY MUCHとやってはいるが、本人をCMに登場させたの日本だけでしょう。

ナニはともあれエルヴィスの映像が流れてくるのは楽しみではあるが、正直いって自分自身個人としては、エルヴィスの一生懸命が、このような形で使用されることが切ない。ピカソの絵をスーパーのチラシのイラストに使うのと同じような気がするのです。

かってハリウッドがエルヴィスさえ出てたらストーリーなんてどうでもいい、「損益分岐点」だけにしか興味がない連中にいいようにやられた悔しさと危惧が脳裏をかすめるのです。
誤解されると困るのですが、あくまで一個人の思いなので、楽しんでいる方は楽しンでいただくといいのです。


それにあのCMに悪意があるわけでもないし、エルヴィスを知らない世代にはエルヴィスに関心を持つ機会になるでしょうし
「全世界36ヶ国にリアルタイムでライブを放送。15億人が観た」という事実。「世界初。宇宙中継はエルヴィスから始まった」という人類の歴史としての事実を伝える機会としてエルヴィスをアピールしたいですね。

あの時、地球という空間を飛び交った<KING OF THE ROCK'N' ROLL>だけが持ちえたきらめきが確かにあった。それをこのアルバムは必ずしも伝えきれていないもどかしさがあるものの、「衛星中継」という最先端の技術をアメリカが誇るアメリカ音楽界最強の巨星を使って世界に披露したという歴史を正当に評価してほしいのです。



<I'LL REMEMBER YOU>を歌うエルヴィスがバンドの連中に投げかける笑顔、<アメリカの祈り>を歌うときに汗が涙のように一筋流れる瞬間などなど、表情のひとつひとつに、全世界を相手にエルヴィス・プレスリーという看板をたったひとりで背負って、命がけで歌っている男のきらめきが宿っていることを再検証しましょう。




Introduction: Also Sprach Zarathustra 
        (Theme From 2001: A Space Odyssey Theme)
2. See See Rider 
3. Burning Love 
4. Something 
5. You Gave Me A Mountain 
6. Steamroller Blues 
7. My Way 
8. Love Me 
9. Johnny B. Goode 
10. It's Over 
11. Blue Suede Shoes 
12. I'm So Lonesome I Could Cry 
13. I Can't Stop Loving You 
14. Hound Dog 
15. What Now My Love 
16. Fever 
17. Welcome To My World 
18. Suspicious Minds 
19. Introductions By Elvis 
20. I'll Remember You 
21. Long Tall Sally / 
Whole Lotta Shakin Goin' On 
22. American Trilogy, An 
23. Big Hunk O' Love, A 

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